
職場の接遇のことで気になること
あるスタッフに、患者さんへの言葉遣いについて注意をしました。
本人からは「気をつけます」と返答があり、その場は終わりました。しかし、同じような場面はそれ以前にもあったようです。
「私が話したことは、伝わっていなかったのかな」
「そもそも、注意したことの何をどう変えればいいのか分からなかったのかな」
自分の伝え方の問題も感じており、振り返るためにも、今日はこの記事を書いています。
年上の方へのリスペクトを
気になっているのは、高齢の患者さんに対しての口調です。
自分よりもはるかに年上の患者さんに対して、「どうしたの」、「そんなこと言ったら駄目」など、まるで小さな子どもに指摘するような口調で話す姿を見かけることがあります。
本人に悪気はないのだと思います。むしろ「やさしく、親しみやすく」を心がけての結果かもしれません。
でも、目の前にいるのは、大人であり、人生の先輩です。
どんなに柔らかい声でも、子どもに向けるような口調では、受け取る側にとっては「できない人として扱われている」と感じられて不快なのではないでしょうか。
私は、そばで聞いていて違和感を覚えます。
そして、気になる言葉遣いをするのは一人だけではありません。接遇が少しずつ崩れているスタッフが、何人か見受けられます。
「指導する立場」の履き違え

看護師には、患者さんに療養に関する指導を行う役割があります。服薬のこと、生活のこと、体調管理のこと。
それが、『看護師が上、患者さんが下』という構図ができやすい所以かもしれません。
そんな構図があるためか、患者さんの理解が追いついていないと、指摘し否定してしまう場面もあります。でも、指導とは本来『教え導くこと』です。
偉そうに振る舞うことでも、相手を下に見ることでもありません。患者さんが、困っていたり、理解が追いついていなかったりすれば、専門職として改善の方法を考えます。
時には手段を提案し、知っていることを伝えながら、より良い療養につなげていく。それが指導なのだと、私は思っています。
患者さんは「背景」ではない
もうひとつ、ずっと引っかかっていることがあります。
患者さんが同じ空間にいる中で、スタッフ同士が別の患者さんの話をしてしまう場面です。
個人情報の問題もあります。でもそれ以上に、聞いている患者さんは
「私も、こんなふうに話されているんだろうな」自分も、同じように話をされている状況を想像してしまうのではないでしょうか。
慣れた職場でいつもの業務をこなすうちに、向き合うべき患者さんが、いつの間にか『背景』になってしまう瞬間があるのかもしれません。
これらのエピソードは、目の前の患者さんを『その場にいる一人の大人』として意識できていない、という同じ根っこから来ているような気がします。
「気をつけます」の先にあるもの

では、管理者として私はどうすればいいのか。
今までは、言葉遣いをはじめとした接遇について注意を呼びかけ、そのたびに『気をつけます』という返事をもらってきました。でも、それだけでは改善につながりませんでした。
私自身、かつて訪問の現場やケアマネジャーとして、患者さんの日常に近い姿を見てきた経験があります。自宅で出会う患者さんは、病院で見る姿とはまったく違う顔をしています。
それぞれに生活があり、歴史があり、誇りがある方々です。
その経験で得た感覚を、どうやってスタッフに手渡していけるのか。それが今の私の課題です。
おわりに
接遇は、マニュアルを配れば整うものではないのだと思います。
今後は『どの言い方がいけなかったのか』『代わりに何と言えばいいのか』をより具体的に伝えるようにしてみます。どのように気をつけるつもりなのか、本人に聞いてみるのも一つの方法かもしれません。
また、口コミが広まりやすい今の時代、接遇ひとつが病院全体の印象を左右することも、あわせて伝えていくことも必要なのかもしれません。
ただ、患者さんを一人の大人として尊重する。その当たり前を職場の当たり前にしていくには、私自身が言葉にし続け、見本を示し続けるしかないのだと思います。
すぐに変わらなくても、あきらめずに、引き続き伝え方を考えてみようと思います。
同じように、スタッフの接遇に悩んでいる師長さんや管理職のみなさん。一緒にがんばりましょう。
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