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「褥瘡ゼロ」は本当に可能なのか——治らない傷と向き合う日々

仕事

褥瘡ゼロ」を目指して

入院されている寝たきり患者さんのことです。
栄養状態も、全身状態も、最近悪化傾向にあり、ある時期から褥瘡(じょくそう)ができてしまいました。

医療の現場では、「病院で褥瘡を作ることは医療職の恥」なのだと聞いたことがあります。
確かに、褥瘡予防には、ケアが寄与する部分は大きい。そのため、そのように言われるのだと思います。作らないように予防する、まさに看護師の腕の見せどころ。私もそのように考えてはいるのですが…。

でも、残念な話ではあるのですが、実際の現場では、全身状態が悪い寝たきりの患者さんは、どんなに手を尽くし気を付けていても、褥瘡ができてしまうことがあるのです。

一度できると、抜け出せない「負のループ」

褥瘡は一度できてしまうと、治るのに時間を要します。対象が高齢者で、状態が悪いと尚更です。
一度出来た褥瘡は、負のループに入ってしまい、本人からしても医療サイドからしても、厄介な存在となってきます。

状態が悪い方は栄養状態も悪い ➨ 栄養状態が悪いと、全身状態が悪くなる ➨ 身体は傷を治すことに力をそそげない ➨傷が炎症を起こすなどして、本人の体力を消耗する ➨ 本人の体力が消耗されることで全身状態が更に悪くなる ➨ 本人の傷はますます治らない。

こんな、抜け出せない負のループにはまってしまい、褥瘡は治らないものとなっていきます。
少しでも良くなってほしくて、現場のスタッフたちは、出来る処置を行い、まめに除圧を行い、患部を清潔に保つ対応を日々重ねます。
それでも、負のループにハマった褥瘡への目標は「治す」ことではなく、「これ以上悪化させない」これが精一杯の目標となっていってしまうのです。

治したいのに、届かない

切ない…。負のループにハマってしまっている患者さんを見て思います。
治る方向にもっていってあげたいと思うけど、悪化させないことがやっと。思うようにならない。
悪化するのはとても早いのに。本当に辛い気持ちになり、看護師として、こんなにもどかしい思いをすることはありません。

私の勤める病院には褥瘡を専門にみる認定看護師(皮膚・排泄ケア認定看護師)はいません。
その為、褥瘡への対応内容は、積極的なことになっていないところもあるのかもしれません。
私も褥瘡について、基本的なことを知っている程度。治療の最前線は知らず、先生の指示のもと処置を行い、対応していくだけではあるのです。

もっと勉強したい、もっと専門的に学べば、何か違う一手があるのかも。
そう思いなんとかこの状況が打破できないものかと日々思いは募ります。

向き合うことはやめない

「褥瘡ゼロ。」はっきりとわかりやすい目標です。
でも、この目標は、簡単に叶う目標では無い事を痛感する日々です。
近年は「どれだけ手を尽くしても避けられない褥瘡がある」ことも医療の世界で認められるようになってきており、私の周りでも「褥瘡ゼロにはできない」ことが現実としてあります。

ですが、諦めず、決めつけず。
きっと他の施設では、それを叶えているところがあるはず!
何がその施設と違うのか、方法を見出し、立ち止まらず、これからも患者さんのために学び、あがいて褥瘡治療に向き合っていってやろうと思います。
褥瘡が命を削ってしまう原因になることを少しでも減らせるように。

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