管理職って孤独だなあ。。
管理職って孤独。。これは、管理職なりたての頃の私の正直な気持ちでした。
患者さんからの苦情処理や謝罪対応、スタッフ同士のもめごとの仲裁、医師からのスタッフに対する苦情、そしてクレームがあったスタッフとの面談・注意・指導。自分はちゃんと仕事をしているのに、周りのことへの対応にばかり追われる毎日。
そのような対応にあたることは、非常に心をすり減らします。
「やってられない」と愚痴を言いたいけど、スタッフにはそんなこと言えない。
では、上司に話せばいいじゃないかと思う方もいるかもしれません。でも現実はそう単純ではない。上司からは「部署をきちんとまとめられているか」と常に評価されています。報告・相談はできても、愚痴や弱音を吐くことはできません。
なりたての頃は、こんな状況に孤独を感じて、辛くて、辞めたいとよく思っていました。泣くこともありました。

転機をくれた一冊の本との出会い
そんな時に出会った本が「嫌われる勇気」でした。ちょうどベストセラーになっていたこともあり、もともと心理学に興味があったこともあって、手に取ってみました。

アドラー心理学を、登場人物二人の会話を通して学ぶ本です。
アドラー心理学を正確に理解し習得することは、なかなか難しいのですが、その中の**「自分の課題と他者の課題を分離する」**という考え方は、当時の私にすとんと腹落ちして、気持ちが楽になるきっかけをくれました。
他者の状況や思いは、あくまで他者の課題。自分がコントロールできるものではなく、自分が介入できることには限りがある。そう気づいてから、なんでも抱え込みがちだった自分から少しずつ脱却でき、仕事も適度に割り切れるようになっていきました。
また、「これは自分の課題か、他者の課題か」と考える習慣がついてきたことで、自分の内側の気持ちを見つめ、分析するようにもなりました。そして、孤独と感じる気持ちの正体も見えてきました。それは結局、「周りが自分をどう見ているか」という他人軸で自分を判断していたことから生まれていたのだと気づいたのです。
確かに、立場上、なんでもかんでもスタッフに話すことはできない。その点は、孤独と感じる部分かもしれません。でも、他愛もないスタッフとの会話や、一緒に笑い合う瞬間は、自分から選んで作り出せるものだということにも気づきました。「孤独=寂しい」という感覚は、いつの間かなくなっていました。
それからは仕事にも前向きに取り組めるようになり、管理職を今も続けることができています。
ただ、私はたまたまそのタイミングで、気持ちをほぐしてくれる本に出会えた。だから良い方向へ向かうことができました。でも、そんな出会いがないまま疲れ切ってしまう管理職も、決して少なくないと思います。
疲れてきたと感じたら、潰れる前に逃げることも、立派な選択肢のひとつです。
患者さんやスタッフを大切にするのと同じくらい、自分自身のことも労わってほしい。そう、心から思います。



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