先日、あるニュースを目にしました。
妊娠したスタッフから「体力的につらいので当直を減らしてほしい」と相談を受けた管理職が、「それって他の人の当直が増えるってことですよね」と伝えたことが、マタニティハラスメントと認定されたというものです。
正直、最初に読んだとき「え、そこまで?」と思ってしまいました。
事実を確認しただけの発言のように思えたからです。
でも、色々な事情や重みも見えて、「難しい時代なんだなあ」というのが、今の率直な気持ちです。

師長として、休む人たちを送り出してきた日々
師長になってから数年。その間にスタッフの産休、育休、介護休暇……色んな理由でお休みに入るスタッフを見送ってきました。
長期休暇の相談を受ける時は、正直心の内では「シフトが組めるのか…」という不安な気持ちが無かったと言えば、嘘になります。
それでも、こちらの都合をどれだけ口にしたところで、その人の休まないといけない状況は変わることはありません。
それに、休む本人が誰よりも他のスタッフに対して「申し訳ない」と思っていることも、痛いほど分かっていました。
だから私は、自分の中で発生した不安な気持ちは言葉にせず、黙って本人の気持ちに寄り添った対応をしてきたつもりです。
その対応が正解かどうかは分かりません。それしかできなかった、というのが本音です。

「事実を伝えること」と「ハラスメント」の境界線
今回のニュースでハラスメント認定を受けた管理職の方が、発言した内容はそれだけだったのか、言い方はどうだったのかなど、詳しい事はわかりません。
はっきりとわかっていることは、ハラスメント認定をされたということのみです。
このことを受け、改めて管理職の発言というのは、管理職の伝えようとした意図がどうであれ、一般のスタッフよりも重く受け止められてしまいがちなんだろうな、ということです。
「状況を共有しただけ」のつもりでも、周囲への申し訳なさを持っている相談者にとっては「やっぱり迷惑なんだ」という言葉にしか聞こえなくなってしまう。
たとえ悪気がなくても、非難するつもりなんてなかったとしても。
だから、「言わない」という選択も、管理職は意識して持っておくべきなのだと、あらためて学んだのでした。
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管理職という仕事 疲れきってしまうその前に。
休むことに、申し訳なさがいらない職場を
そもそも、休みを申し出る側が申し訳ない気持ちを抱えなくてもいい環境になれば、こういう気持ちのすれ違いも減るのではと思っています。
以前ニュースで、ある企業の事例として、産休や長期休暇者を受け入れた部署で、残って仕事をフォローするスタッフに対して、協力金が支給されるというものを見ました。
医療現場は、女性が圧倒的に多い為、産休・育休・介護休暇者は通常の企業よりも多いと思います。
一般病院でその協力金制度の導入は、雇い主側にとっては大きな負担になるものかもしれないのですが。
しかし、残ったスタッフへの労いを具体的なかたちで示す制度が、どこの職場でも導入されれば「迷惑をかけている」側と「しわ寄せを受けている」側、どちらの気持ちも、今よりもうんと軽くなるんじゃないでしょうか。

目指すは、お互い様という気持ちの好循環
勿論、制度ですべてが解決されるわけではありません。
それでも、個人の我慢や気遣いだけに頼る今の状況よりも、仕組みがあれば、管理職も、休む側も、少しは楽になるのではと思います。
みんなで、休む人を気持ちよく休暇に送り出す。そして、長期の休みから戻って来てもらう。
そして、戻ってきた人は、次は別の人を休暇に送り出す…、というお互い様の好循環が生まれれば、儲けものではないでしょうか。
同じように「休みを送り出す立場」で悩んだことのある方がおられましたら、少しでも共感いただけたら嬉しいです。


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