介護保険施設について
前回、[「将来は施設に入って」と言われた日のこと]という記事を書きました。
その際、介護保険施設の種類や費用について書きました。
あの記事を書きながら、医師・看護師が常駐する「介護医療院」は、私自身、馴染みがないものでした。
最近は、特別養護老人ホームやサービス付き高齢者住宅などでも、看護師の常駐をうたい、医療面のサポート充実をアピールする施設が増えてきたように感じます。
そうなると、「介護医療院のような施設が適応になるのは、どんなケースなんだろう?」という疑問が湧きます。
看護師として、かつてのケアマネジャーとして、この疑問をもう少し掘り下げてみます。

介護医療院ってどんな施設?
厚生労働省作成介護医療院公式サイトには、こう書かれています。
介護医療院とは、要介護高齢者の長期療養・生活を支援するための施設です。要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設です。
(厚生労働省作成介護医療院公式サイトより引用)
介護保険サービスの枠組みで、医療の長期療養が必要な方を、医療面を充実させた介護で支える施設です。
「看護師がいる」と「医療的判断ができる」は別モノ
他の介護保険施設と人員配置の基準を比べてみると、体制の違いがはっきり見えてきます。
特別養護老人ホームは、看護・介護職員を合わせて入居者3人に1人以上の配置が基本。医師は常勤ではなく、月数回の訪問診療で対応している施設が多いのが実情です。
一方、介護医療院には常勤の医師がいて、看護職員も24時間体制を前提にした手厚い配置になっています。経管栄養やたんの吸引、がんの疼痛管理といった、継続的で複雑な医療管理にも対応できる体制がとられているんです。
つまり、日中の健康観察や軽度の処置なら、看護師の常駐で十分対応できるかもしれません。でも、夜間に何かあったとき、すぐに医師の判断を仰げる状況かどうかは、また別の話。
「看護師がいる」ことと「その場で医療的な判断ができる」ことは、イコールではないんですよね。病状が不安定になるリスクの高い方にとっては、ここが結構重要な分かれ目になってきます。
医療の現場で感じること
実際、サービス付き高齢者住宅や特別養護老人ホームに入所中の方が、体調を崩して入院するケースは、少なくありません。
私が勤める病院でも同じで、施設側はギリギリまで対応してくれるんですが、やっぱり治療が必要な状況になれば入院、落ち着いたら施設に戻る、というパターンが多いです。
医療機関との連携を図っている施設は多いですが、それでも対応出来る範囲には限界があり、医療度が高まると、施設には戻れないケースもあります。
そんな時の選択肢として、介護医療院のような「医療管理ができる生活の場」は、一定の必要性があるのだろう、と感じます。
「できるだけ在宅で、できるだけ病院以外で」という国の方針もあります。
施設の種類や配置基準は、単なる制度上の分類というより、国ががどこにケアの負担を寄せようとしているかを映す鏡にもなっています。
さいごに
施設は、「看護師常駐」「連携している医療機関がある」——これらうたい文句を見て、ここならば安心と入所を決める方も多いかと思いますが、実際の対応できる範囲は大きく変わります。
勿論、全ての施設利用を希望する人たちが、医療が手厚い施設に入る必要は無いと思います。家で居ると同じように、必要になったら病院へ行くという対応で良いのです。
ただ、医療の支援を要する人に関しては、配置されている職種の「有無」だけでなく、「夜間・緊急時にどこまで対応できるか」も確認した上で、施設入所は検討してみてください。
より安心な生活につながると思います。




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