介護保険サービス
看護師という仕事柄か、はたまた年齢的な為か、介護に関する悩みを聞く機会が増えてきました。
ケアマネジャーとして長年実務についていた私。当時担当していた利用者家族の事を思い出しながら話を聞きます。
介護を社会で支えようと開始された介護保険は制度開始から26年経過します。
それでもやはり家族が中心となって介護を担わないと成り立たない現状は続いている事を痛感しました。
ある高齢夫婦のお話
今回伺った話は、80代の高齢夫婦と介護者の長男、3人家族の事。
高齢夫婦は病気の後遺症などで身の回りの事に手を借りる事が必要となっています。加えて認知症状も出てきており、時々精神的に混乱する事もあります。
50代長男が高齢夫婦二人の生活を一人で支えますが老夫婦に翻弄される日々。周囲は長男の介護疲れを懸念しています。相談窓口の地域包括支援センターからは、デイサービスを提案されているようですが、本人たちはそれらサービスの利用を拒否し、自宅で過ごしている状況です。
通所サービス(デイサービス・デイケア)に行きたがらない理由
親をデイサービスに行かせたいけど行きたがらない。割とよく聞く話です。何故なのか。
私の経験では以下の事が多かったように思います。
①新しい環境への不安による抵抗
誰しも新しい事へ挑戦する時は強い不安に襲われます。年齢を重ねれば重ねる程、環境変化への順応性は低下します。その不安感が乗り越えらない。
②通所サービスへのイメージが悪く、利用する事への羞恥心からの抵抗
‘通所サービスはお遊戯をする場所’ととらえている方が割と多い。自分のプライドが許さない。
③自分の生活リズムを乱される事への負担感からの抵抗
通所サービスは団体生活となる為、自由気ままに過ごせないのは確かです。
ケアマネジャー時代の作戦
通所サービスに行きたくない理由は、性格や、今迄の社会経歴などで変わりはするのですが。
特に男性が通所サービスに行きたがらない傾向にあり、主に②・③あたりの理由を言われる方が多かったです。
そんな方を担当した時は、通所サービスでも「理学療法士が常駐しているリハビリメインのデイケア」「クオリティの高いレクリエーションを提供するデイサービス」など、本人の興味に刺さりそうな事業所を提案して、イメージを覆すようにしました。
また「一緒に行くから試しに見学に行こう♪」とケアマネジャー自ら同行する作戦をとる事もありました。
行くまでは嫌がっていた方々でも、いざ行きだすと、それを仕事と捉え継続する方、通所サービススタッフとの交流を楽しみにされる方など、通えるようになる方は多かったです。
ケアマネジャー経験者として思うこと
先の高齢夫婦の状況を聞きながら、ケアマネジャーとして働いていた頃の経験が頭をよぎりました。
通所サービスへの抵抗が強い段階では、まず訪問系のサービスから始めて、外部サービスへの慣れを作る方法が有効なケースも多くありました。
ヘルパーが訪問する訪問介護で身の回りのサポートをする人が増えれば、長男の負担軽減になりますし、看護師が訪問する訪問看護なら、病気という側面からご本人たちに関わり、心身の安定をサポートすることができます。
もちろん実際のサービス導入には、担当ケアマネジャーへ相談する事が一番の近道です。
担当ケアマネジャーがまだいない場合は、お近くの地域包括支援センターが相談窓口となります。
介護問題の行方
どこの家庭にもいつかは降りかかる介護問題。介護する側が潰れず、される側も辛くない、そんな穏やかな日々が続けられたらと願っています。




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