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人手が足りない医療・介護の現場
「人手が足りない。」
それは今の医療・介護現場において、もはやどこでも「当たり前」の現実です。
私が勤める病院は、離職率が高いわけではありませんが、新しいスタッフが入っても、別の人が辞めてという入れ替わりが続き、職員が充足している状況が中々長続きしません。

新しいスタッフが来てくれるのは助かるけども…。
慢性的な人不足の中、新しいスタッフを迎え入れます。
待ちに待った新入職者。既存スタッフは即戦力を期待して、自身の業務を行いながら新人スタッフに
仕事を教えることを頑張ります。質問に答え、フォローし、ときに失敗のリカバリーもする。
しかし、人的余裕が無い現場での指導。早い段階で、新入職者から目を放す事が増えてきてします。
早くから一人で現場に放り出された新人スタッフの不安感と合わせて生じる病院への不信感。
日増しに即戦力を期待する既存スタッフからの新入スタッフへの厳しい目。
既存スタッフと新人との間に生まれた溝、間もなく新人スタッフは離職。
既存スタッフには指導の疲労感のみ残る。。。
そんな悪循環、あなたの職場では心当たりはありませんか?
私自身、管理職となってから、このような状況を発生させて、3か月から半年で退職されてしまうという事が何人か続いた事がありました。
今日はそんな現場のリアルな状況と、指導する側・される側、それぞれの改善策や取り組みをお伝えしていきたいと思います。
私の職場で起きていたこと—現場のリアル
私の職場では、これまで常勤職員が入職すると、業務全般を順番に経験・習得してもらい、最終的に
「チームリーダーまで出来るマルチプレイヤーに育てあげる」ということを目標にやってきました。
順調にいけば、1年以内にチームリーダーとして機能できる——この指導方法で育ったマルチプレイヤーな中堅スタッフが揃っている部署です。
ところが最近は、 業務を伝えても、習得が遅く、学んだことの定着がなかなか出来ず、ゴールのチームリーダーを目指すなんてできず、それまでの仕事の習得も難しい入職者が続いています。
最初は根気よく教えてくれていたスタッフたちも、
「また同じことを聞いてきた」 「何故まだできないのだろう」 「私はこれほど仕事をしたのに、あの人は同じ分だけ働けない」「同じ給料をもらっているのに」
不平・不満が噴出するようになります。
新人スタッフに直接ぶつけないものの、スタッフからのプレッシャーは新人スタッフには伝わり苦しめてしまうようです。
今後に向けての改善策
指導する側へ——「完璧に育てよう」を手放してみる
ゴール設定を見直す
新人スタッフが定着しない、既存スタッフも指導に疲弊している、という状況を受けて、同じゴールを全員に課す事をやめる事にしてみました。
チームリーダーを目指せるマルチなプレイヤーもいれば、出来る業務は狭いけど、狭い範囲であれば活躍出来る人材はいます。 適材適所の視点で最初から関わり、指導側の「なぜできないんだ」というフラストレーションと、指導される側のプレッシャーを和らげていきます。
ただ、スタッフ全員が横並びで仕事をこなす事が出来ない状況は、不公平だとスタッフ内で意見が出る事は予想されます。
スタッフ全体には、適材適所の視点への理解を求める丁寧な説明は必要です。
新人スタッフへの心理的安全性の確保を。「見ている」を言葉にする
人手が少ない現場は、忙しい為新人スタッフを見守る目は手薄となり、放っておきがちとなりがちです。それが、新人スタッフを不安にし、孤立感を与える。。。
理想としては、一日の終わりに、面談時間を持って振り返りを一緒にする事かと思いますが。実際は難しい日が多いです。なので、一日の中で小まめに声を掛けるようにしました。
「何か出来る事はないですか?」「さっきの対応、よかったですね」 「迷ったら声かけてください」
どれも少し時間があれば出来る言葉かけ。この言葉かけで、「自分はちゃんと見てもらえている」と感じてもらえるようで、新人スタッフの表情も落ち着きます。
マニュアルやチェックリストを積極的に使う
私たちの職場の指導方法はまさに、OJTです。
(「On the Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」の略称で、実際の職場で日常業務を通じて行う教育訓練方法。)
OJTを成功させるには、仕事の仕組み化、マニュアル化が有効です。チェックリストもあれば、新人が自分で確認でき、指導者の説明コストも下がり、仕事の出来映えラインも揃います。
仕組みづくりは、指導する側、指導される側、双方を守るのです。
採用の段階から見直す方法は
最近、必要性を強く感じている事なのですが
採用面談の段階でもっと丁寧に人を見極めるべきでは、ということです。
履歴書による経歴や資格、スキルだけでなく、
- 学ぶ姿勢や意欲はあるか
- コミュニケーションスタイルが病院のカラーに合うか
- どんな働き方を求めているのか
こういった部分も面談でしっかり確認することで、入職後のミスマッチを防ぐのではと思います。
ただし、一度の面談、しかも長くても1時間程度。その時間で人柄から本音まで見抜く事は難しいと、面談担当者である看護部長はこぼされていました。
採用する側も、される側も、お互いにとって良い出会いとなる為に。
ある介護事業所は、面談時間も出来るだけ長くとった上で、お互い納得できるよう、何度かバイトで働きに来てもらうという話を先日聞きました。採用までに時間はかかりますが、長い目で考えるとお互いにとってはすごく有益な手段だなと思いました。
選考プロセスに私は関わる事は出来ない立場ですが、そこも考えていくことが必要なのではと感じています。
新入職者の方へ—「聞けない空気」はあなたのせいじゃない
新入職の方へ。
忙しそうなスタッフに声をかけることへの遠慮と、「こんなこと聞いて何か言われないかな」という
現場の雰囲気と不安。それは多くの新入職者が感じることで、あなただけではありません。
でも、質問・相談する事は自分の身を守る為に必要なこと。そこは臆せず、「今、少しだけいいですか」と言って仕事を学んで行ってください。
でもその学ぶ姿勢がどうしてもとれない環境だったり、指導体制が機能していないと感じる状況ならば、転職という選択肢も自分を守る立派な一つの手段です。
医療・介護職は、特に職場によって指導体制や文化が大きく異なり、あなたが求める環境が整っていない職場も多くあります。
環境を変えるだけで、仕事の充実感がまったく変わることがあります。

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まとめ—余裕がないからこそ、仕組みと言葉を大切に
人手不足の現場で新人指導をすることは、本当に簡単ではありません。
新人が定着しない事で、指導する側には指導した疲弊しか残らない、その悪循環を断ち切る為に、
- ゴールをそれぞれのキャラクターや能力に合わせて設定する
- こまめな言葉掛けで「見ている」を伝えて心理的安心性の確保を
- 仕組み作りをすすめ、指導コストを下げる
色々な人間が仲間として一緒に育っていく、そうする事が既存スタッフの為となり、職場の発展となる。そんな職場づくりが自分の務め。
そう考え、失敗を改善しながら少しずつ積み重ね、やって行こうと思います。



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